19歳の冬に宝くじが当たりました

ある日、学校の友達と『もし宝くじの1等が当たったらどうするのか』という話をしました。
友達はみんなクルーザーを買うとか、海外旅行するとか、会社を作って社長になるとか、とても明るい答えでした。
でも、私は「一生家でひきこもって暮らす」と言いました。一人だけどうしょうもなく暗いです。


そんな私ですが、19歳の冬に宝くじが当たりました。とても信じられませんでした。
ただし、当たったのは1等の2億円ではなく、前後賞の5千万円でした。
友達からは「一生分の運を使い果たしたな」などと言われて嫉妬されましたが、気にしませんでした。
私は大学を出てすぐにひきこもりました。本を読んだり、インターネットで時間を流す毎日。
時々外出でるとすれば、買い物とパチンコの時ぐらいです。
 あれから43年。そんな私も今年で62歳になりました。
毎月15万円ぐらい生活費に使っていましたが、5千万円も5千万円を銀行に預けた利子も全て使い切ってしまいました。
貯金の残高はあと2万7千円しかありません。
昔の学校の友達はみんな会社を定年退職している年ですが、私は今から働かなくてはいけません。
社会に出たことのない私にはコンビニのバイトすら楽ではありませんでした。
何十年も毎日ひきこもっていたせいで、体は動かないし、時間どおりに動くことも慣れません。
今、とても生活が苦しいです。
私はやっぱり宝くじが当たった時点で運を全て使い果たしてしまったらしい。